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99.9%は仮説

99.9%は仮説
竹内薫
光文社新書
735円

光文社新書は「新書」ながら軽くて読みやすい本が多くて、出張のときなどに駅の本屋で購入したりする。これもその一冊。
科学ジャーナリストである竹内氏が、科学の世界で「真理」とされたものがいかに簡単に「間違った仮説」としてひっくり返されてきたか、あるいはその逆にガリレオの地動説のように「間違った仮説」として排撃された学説が「真理」として逆転した例を多数あげながら、我々が認識している「真実」や「正論」やが、いかに危ういものかであるかを説いている。その意味で、竹内氏が言うとおり少なくともわが国の教育において軽視されてきた「科学史」そして「哲学」の問題を論じている本だ。
竹内氏の執筆動機の中に現在の教育への物言いがあるのは間違いないしその点は共感する。
ただ、アメリカで「知的設計説」という「全知全能の創造主のようなもの」(設計者)が存在する(した)という学説を大学で教えるべきかが物議をかもした問題、そして同様に反ダーウィニズムの天地創造説をキリスト教原理主義者のブッシュ大統領が後押ししている問題については、科学や教育の領域に政治や宗教が介入している例としてもっと警鐘を鳴らすべきではなかったか。もちろん僕の意見も「全ては仮説」という懐疑論の前では意味をなさないのかもしれないが。
ただ全体において、高校生ぐらいの子どもが思考のレッスンとして読むには刺激的でいい本だと思う。
僕も高校1年生の娘に奨めました。